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​会社概要

​株式会社山田林業 代表取締役 山田尚弘様 インタビュー

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会社は「安定、繁栄、継続」させないといけません。会社は死なない訳ですから。

行く行くは持ち株会社になりオーナーの手を離れていく、

みんなの会社になっていく。そうなって欲しいと思っています。

社長に就任されるまでの経緯をご説明いただけますか?

大学卒業後、東京でミサワホームの子会社に入社しリゾート会員権やリゾートマンションの区分所有権等を売る営業職をしておりまして、そこで3年ほど営業のノウハウを叩き込まれました。

社長就任の経緯・きっかけをお話いただけますか?

親父が「山を売ろうと思う」と言い出してきました。

理由を聞いたら「自分ではやっていけない、もしお前が帰ってきてやるというなら自分でやり方を考えろ」ということでした。先祖代々受け継いできた山をそんなに簡単に売ると良く言えるな、、、とその時は思いました。

 

後で分かった事ですが、山を持っている事が足かせになる場合もあります。

ですがその時は深刻に捉えました。

その時私は、会社でグアム島のリゾート開発を担当したいた頃なのですが、バブルが崩壊した後で朝の8時から深夜23時位まで働くのが当たり前の状況でした。あまりの忙しさに精神的にやられて帯状疱疹になってしまい、2週間ほど病院に通う事になりました。

その病院で一緒に点滴を打ってもらっていた人たちがみんな違う会社の営業マンばかりで職種は違えどみんな苦労して精神的にやられていたみたいなんです。私もこのままではやられてしまうと思い潮時かなと会社を辞めて帰ってきました。

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就任後、一番ご苦労された事はなんですか?

親父は人に持っている山の伐採権を売ることで生計を立てていました。例えば100haの山があったとして、1haずつ木を切って、また木を植えていくと最後の1haを売る100年後には、最初に売った1haの木が育っていてまた循環できるというやり方です。しかし木が売れなくなり単価がどんどん下がって1ha切るだけでは足りなくなり、2ha切り3ha切り、それでも足らず4ha切り、、、どんどん切らなければ生活できなくなりました。

これは人に頼んでいる場合ではない、しかしずっと切ってもらっていたので木の切り方を何も知りません。

そこでやり方を覚えなくてはと森林組合に入り、1年半木の切り方出し方を修行しました。修行中のある日、私を指導して下さっていた方が木の下敷きになって亡ってしまったんです。

林業は危険な仕事であると身を持って体験し、また今までの道もない足場の悪い場所で作業をする林業ではなく、今までやってきていない林業をしようと考えました。

大阪の千早赤阪村に大橋慶三郎先生という林業の世界では大変有名な方がいらっしゃって、ご指導を受けたいとお願いに行きましたが「もう弟子はとっていない」と断られました。そこで徳島に大橋さんのお弟子さんがいらっしゃるのでその方に頼みに行き、「どうしても教えを請いたい」と申しましたら「そんなにやる気があるなら、大橋先生に自分から頼んでやろう」と一緒に頼みに行ってくださいました。

そのおかげで大橋先生から直接ご指導頂けることになりました。

「まず、私の言う事を良く聞かないといけない、間伐も道づくりも従業員にさせないで自分でやらないといけない、それが守れるならおやりなさい」と言われ、その覚悟でやりました。

当時27~28歳でしたがその後約10年間、年2回こちらの私の山に直接来て教えて頂きました。

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「大橋式作業道」といって有名なのですが「自分がしているのは道づくりではなく人づくりだ」とおっしゃいます。

「人間の法則を知る必要がある。それが林業の全てだ。“山づくりをしよう”“良い山を残そう”と思ったら、山を頼りにしない人間を作らないといけない。人間の法則ではどうなっているのかを山に照らし合わせて考えられる人物でないと良い木を残していく事はできない。お金が欲しかったら良い木から切ってしまうだろう。それでは良い山はつくれないのだ」という事です。

だから学びの為に古典を読みなさいとよく言われました。そういう訳で「大橋式作業道」は少量を伐っていくので一本一本の単価が高くないとやっていけません。そうなるとまだ単価が高い状況ではないので生活ができません。

貯えもどんどん減り、子供の給食費も大変なほどお金が無くなってしまいました。

どうしたものかと大橋先生に相談しましたら、

「理想の山を求めるなら自分の山以外に収入を求めるしかない」と言われ、考えて林業の請負をやる事にしました。森林組合の下請け、土木会社の下請け等をして、自分の山はまだ切れる状態ではないのでよそ山から依頼を受けて木を伐り出す事を仕事にしたんです。

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そうして親父と一緒にやっていたのですが、この先どうしたものかという発想が出てこない。若い発想がないんです。非常に閉塞感がありました。

そこで相棒になる人材が欲しくてハローワークに募集をかけ始めました。その時はまだ株式会社でもないし、ちゃんと事務所も用意していない状態で「一緒に林業やりませんか?」という感じで募集を掛けました。なかなか良い人材がいませんでしたが、経験者の当時19歳の若い人が来ました。非常にやる気のある優秀な人材でした。責任感を持って自ら率先して、どんどん仕事をしてくれました。

その人物が今の部長です。

後で聞いた話なんのですが、林業の世界では仕事ができるという事で有名だったそうです。結婚を機に姫路に来て自分には林業しかないと仕事を探したら、姫路で林業をしているのがうちしかなかったというので応募してきたらしいんです。

これもご縁ですね。

 

彼を見ていて将来彼を支えられる人材が必要だ、だからもっと採用しないといけない、自分の為の採用ではなく従業員の為の採用でないといけないと直感的に思いました。今従業員が30名ほどいますが、彼がいなかったら今の状態はなかったと思います。また人がいないとお仕事を頂いてもお受けできないことがあります。折角お声掛け頂いたのに断りたくない。その為にも人を増やしていかないと、と思いました。

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伐り出した木は普通、木材市場に大きいも小さいもドサッと持って行って、それを木材市場で仕分けしてもらい各製材所さんがその木材を買いに来られるんですが、その場合1㎥あたり2千円の手数料を取られます。つまりそれを自分たちでやると2千円払わずに済む訳です。1,000㎥なら200万円。10000㎥なら2000万円違います。またきれいに仕分けすれば製材所さんと直接値段の交渉ができると思ったんです。多くの林業事業者はそういう営業手法を持たないので出来ない。しかし自分は営業をやってきたので出来る、それを生かしたいと思い自社で仕分けをしました。

従業員が5人くらいになった頃、作業着を着た若い方がいらっしゃいました。

「上手に仕分けをしていますね、仕事お願いできるんですか?」と仰るので「どんな山でもやらせて頂きます」と答えましたら、その方が住友林業さんの森林担当者さんだったんです。それ以来ずっとお取引させて頂いています。安定的な仕事が確保できたおかげで人材も増やせましたし、設備もそろえることが出来ましたし、資金調達もしやすくなりました。ファイナンスや経営に関するいろんなことが勉強できました。

また住友林業さんと取引があったご縁で三菱マテリアルさんの山もうちの会社が間伐することになりました。

 

色んな厳しい事に耐えたおかげでいろんなご縁があり今があると思っています。

ようやく大橋先生がいっておられた「自分の山を頼りにしない山作り」が出来るようになったと思っています。

今後社長が目指す会社とは?

木は建築材や土木工事の材料、その他食器等色んなものに使われていますが、火力発電の燃料になるという事がこの10年来で分かってきました。という事は化石燃料と変わらない訳です。違うのは化石燃料は枯渇しますが木は植林することで循環できる、つまり再生可能エネルギーなんです。電力を発生させる山、電力事業の燃料としても山を見ることが出来るのです。だから中長期的な展望として小さいながらも発電所は持ちたいと考えています。

また海外の山にも興味があります。会社は「安定、繁栄、継続」させないといけません。会社は死なない訳ですから。そして行く行くは持ち株会社になりオーナーの手を離れていく、みんなの会社になっていく。そうなって欲しいと思っています。

従業員には「仲良く怪我せず」あまり厳しい事は言いません。社員が委縮しますから。社員には伸び伸びと仕事をして欲しいです。

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化石燃料は枯渇しますが木は植林することで循環できる、

つまり再生可能エネルギー

株式会社山田林業

​会社概要

商号:株式会社山田林業

​●住所:〒670-0887 兵庫県姫路市北平野南の町13-58

​●電話番号:079-282-2329

​●代表取締役:山田尚弘

​●資本:1,000万円

​●設立:平成22年(2010年)6月

従業員数:正社員23名 アルバイト社員3名

主要取引先:住友林業株式会社、三菱マテリアル株式会社、サントリーホールディングス株式会社、清水建設株式会社、近畿中国森林管理局、財団法人兵庫みどり公社、兵庫県森林組合連合会、姫路市役所農林水産部林業振興室、中はりま森林組合、養父市森林組合、その他:個人の山林所有者の方々(順不同)

事業内容:

・間伐、主伐(皆伐)、植樹や、それに伴う作業路整備などの山林管理。
・山林管理のための現況調査、施業計画、路網計画。
・開発工事現場における伐採除去作業。 

・山林買取 

・丸太の販売
・木質バイオマス燃料の生産および販売 

・薪材の販売

大阪 セミナー
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